山西省

臨汾/明末に建てられた中国懸塑芸術の最高傑作!小西天 山西商人の三大豪邸巡りと平遥古城

臨汾

臨汾市隰県小西天景区入口

10時少し前に臨汾市隰県にある小西天景区の入口前に到着した。高鉄の臨汾西駅から約2時間、ほぼ時間通りである。
大型バスが停泊できる駐車場が近くにないので、入口前で全員下車し、バスは11:50頃、再びここへ戻って来るらしい。

バスを降りた場所にはたくさんのお土産店、飲食店があった。

付近でたくさんの梨が売られていた。どうやらこの辺一帯は梨の産地らしい。

梨のジュースもあったので、帰りに買って飲んでみた。

白い帽子を被り、旗を持っているのがガイドの孔さん。昨晩から集合時間の件などで微信でやりとりしていた。太った女性で、バスの中で「食べることが生き甲斐!」と自虐ネタを披露していた。

小西天景区入口付近。周辺はインフラ整備の途中で、なんか落ち着かない雰囲気がある。

それにしてもあちこちで梨が売られている。日本では9月上旬ごろが旬であるが、この日は4月みどりの日である。

試食で配っていたので食べてみたが、超ウマ!地元埼玉県北部の梨も非常に美味しいが、それに全く劣らず美味しい!!

小西天入口

小西天の入口。ほぼ全ての観光客は微信で入場券を購入しているので、そのままスマホスキャンで入場。微信の予約画面では外国人は対象外となっていたので事前購入できず、自分だけ窓口で入場券を購入した。誰も並んでいなかったので、すぐ買えた(現金購入)。

これから山頂まで登って行く。ここは最近バズりはじめた観光地であるせいか、至るとことで補強工事がされている。
上へ登って行く。1000段くらいあるらしいが、大した高さではない。

階段の脇にあった看板「不止小西天、臨汾皆如此」。意味としては(小西天だけでなく、臨汾はみなこんな感じだよ!)。つまり臨汾一帯にある寺院はみな小西天のように小さい空間に多くの仏像が飾られているのが多い、ということである。臨汾にある寺院だけでなく、山西省にある寺院全体がそうであるらしい。たまたま小西天が「黒神話・悟空」のゲームで有名になったが、実際に同じような場所があちこちあるらしい。

大雄寶殿のQR案内。それと、ここからまだ82m上にある。

小西天は本来「千仏庵」という。小西天が別称である。その千仏庵の入口。

更に中へと入って行く。

無量殿

無量殿。上院である大雄宝殿の一段下層にある下院殿堂。

早速中へ入ってみた。

天宮楼閣(木彫楼閣)

この楼閣は「天宮楼閣」といい(別名いくつか有り)、極楽浄土の世界を表したものである。

楼閣の前には阿弥陀如来像が安置されている。

そして極楽浄土の楼閣を潜ると、7体の像があった。手前黄色の太っている像は布袋和尚で、弥勒菩薩の化身とされている。他の銅製の像は「過去七仏」らしい。

出口付近には韋駄天像があった。

小西天のハイライトである大雄宝殿への入口。最後の階段を上がっていく。

大雄宝殿

小西天のハイライトである「大雄宝殿」。

大雄宝殿から下を眺めた様子。大雄宝殿は上院にあり、下院には先ほどの無量殿ほか、韋駄殿と鐘鼓楼がある。

大雄宝殿。

中国の線香はメチャクチャ大きいが、ここのはそれほどでもなかった。また線香が紫である。お焼香はしなかった。

大雄宝殿下の入口はとても年季が入っていて風格もある。

早速中へと入ってみた。

これは凄い!写真でみるより実物は遥かに凄かった!!

北壁五尊弟子(釈迦牟尼十大弟子)

大雄寶殿の中に入って、先ず北壁側には釈迦牟尼十大弟子のうち5体の弟子が中央の5尊仏を取り囲んでいる。

主賓5尊仏の一尊の弥勒仏のすぐ隣に並んでいる。

十大弟子の北壁にいつ5体の名前は以下の通り。

奥から摩訶迦葉(まかかしょう)、阿那律(あなりつ)、舍利弗(しゃりほつ)、摩訶迦旃延(まかかせんねん)、目犍連(もっけんれん)の順で並んでいる。

鋭い黒い眼でこちらを見ているのは舍利弗(しゃりほつ)。その背後には子供らしい像が半身を出して覗いている。

摩訶迦旃延(まかかせんねん)と目犍連(もっけんれん)の後方にももう一人いる!

啓門童子

この子らは啓門童子と呼ばれている。一人一人に固有の名前はない。明代以降の寺院で好まれて彫られ、流行り出した。「啓門」とは(門を開く)意味で、童子がその扉を半分開けて、顔や上半身を覗覗かせていることが多い。

彼らは単なるお飾りではなく、またこの仕草には「仏法の真理への入口を指し示す」、または「この世とあの世、聖なる世界と俗なる世界の境界に立つ」 という深い意味が込められてる。

その上にある天井の装飾も凄い!!

いくつもの仏像が飾られている!

弥勒仏

そして五尊の一角である弥勒仏

弥勒仏の両隣りには、大妙相菩薩(だいみょうそうぼさつ:写真左)と法音輪菩薩(ほうおんりんぼさつ:写真右)が仕えている。

弥勒仏の頭上の仏像装飾の様子。

中華な白白

ねぇねぇ、ここに祭られている五大尊について教えてよ!

啓門童子

右から左へ順に弥勒仏、毘盧遮那仏、釈迦牟尼仏、阿弥陀仏、薬師如来が祭られているんだ!

中華な白白

弥勒って仏じゃなくて、菩薩じゃないの?

啓門童子

今は修行の身で菩薩だけど、お釈迦様入滅後の56億7千万年後に仏になることが確約されているんだ!ここでは超時空を超え、他の仏と同列に祭られているんだよ!

中華な白白

へぇー、そうなんだ!今は菩薩だけど将来仏様、時を超えれば仏様!?それにしても56億7千万円年後って、時間の感覚が分からな~い!

毘盧遮那仏

続いて毘盧遮那仏

奈良の大仏、そして洛陽龍門石窟のメインの大仏もこの毘盧遮那仏である。

中華な白白

ねぇねぇ、毘盧遮那ってどういう仏なの?!

啓門童子

毘盧遮那は別名「盧遮那仏」ともいい、宇宙そのもの、真理そのものを表す仏なんだ!

中華な白白

へぇー、なんか宇宙のことに詳しそうな仏様ね!?
E=mc2の法則やビックバン、宇宙は今なお膨張し続けていること、ブラックホール、宇宙のことは何でも知っているの?

啓門童子

いやいや、仏教界でいう宇宙とは、現代の天文学、物理学などとは違っていて、人間界、天界、地獄界、餓鬼界、修羅界、畜生界、これらが輪廻する万物の存在、あらゆる概念のことなんだよ。

中華な白白

へぇー、そうなんだ!

毘盧遮那仏の両隣に仕えているのは文殊菩薩(写真左)と普賢菩薩(写真左)。

なんとなくズームで撮ってみた!誰かに似てなくもない。

啓門童子

つまり万能な存在、表情をしているということだよ!

毘盧遮那仏の上の装飾。

こちらもまた超お見事である!

毘盧遮那仏と文殊菩薩、普賢菩薩。

釈迦牟尼仏

続いて五尊仏の中央に位置するのは釈迦牟尼仏

こちらも毘盧遮那同様に文殊菩薩(写真左側)、普賢菩薩(写真右側)が仕えている。そしてさらに釈迦牟尼の前にも1体の仏像が仕えている。
釈迦牟尼の前で座っているか立っているか分からないが、釈迦牟尼を守っているのが韋駄天(韋駄菩薩)である。
こちらの天井の装飾もお見事である!
五尊仏で唯一3体の菩薩様に守られているのが釈迦牟尼仏である。
中華な白白

ねぇねぇ、釈迦牟尼についても教えて!

啓門童子

釈迦牟尼は紀元前5世紀頃にインド北部で実在した王族出身者で、29歳頃に出家し、35歳頃に悟りを開き、その後45年間に渡り教えを説いた人物だよ。釈迦=釈迦族、牟尼=聖者で、釈迦牟尼は「釈迦族の聖者」という称号なんだ。本名は「ゴータマ・シッダールタ」。

中華な白白

具体的にはどのような悟りを開いたの?

啓門童子

超平たく言うと「人生の苦しみの原因と、それを終わらせる道」を悟り、「人生には苦しみがある。しかし、その原因を理解し、正しく修行すれば苦しみから解放される」という教えを説いたんだ。「苦しみ」の原因はこうあって欲しいという「執着」、「執着」をを無くせば「苦しみ」は終わる、と。

中華な白白

なんか重~い、重たいわ!もっと気軽に生きていたいわ!

啓門童子

そう、それでいい!それこそが仏教でいう「中道」の考え方だよ。

阿弥陀如来

阿弥陀如来像。

両脇には大勢至菩薩(写真左)と観音菩薩(写真右)が仕えている。

阿弥陀仏像の周囲にぶら下がる子供の御仏像。

この子は化生童子という。極楽世界にある蓮の花から転生された往生人である。前世を離れ(往)、別世界を新生するため(生)に転生された。

往生際が悪いと、極楽浄土へは行けないのである。

中華な白白

阿弥陀如来はどういう仏なの!

啓門童子

西方極楽浄土の仏で、慈悲によって人々を救済する仏だよ!

中華な白白

西方極楽浄土ってどこにあるの?西方ってヨーロッパ?

啓門童子

仏教界でいう「西方」とはヨーロッパのことじゃないよ!西方=陽の沈む方角、一日の終わり→人生の終わり→死後の世界、「あの世」、「来世」のことで、現世の次の世界、そこに極楽浄土があるという考えだよ。

阿弥陀如来像の天井の様子。

これもまたお見事!

阿弥陀仏(中央)と大勢至菩薩(写真左)、観音菩薩(写真右)。

薬師如来

五尊仏の最後は薬師如来。

薬師如来は現世に活きる人々の病や苦しみを救済する仏様。もっとも身近に感じてしまう存在である。

啓門童子

薬師如来は東方浄瑠璃世界の仏だよ。「東方」とはアジアではなく、陽が昇る方角、一日の始まり→生命誕生→現世のことで、今、活きているこの世界のこと。薬師如来は現世の病気、災難、苦しみを癒し、救済する仏だよ。

薬師如来の両脇に仕えているのは月光菩薩(写真左)と日光菩薩(写真右)。それぞれ手に日輪と月輪を持っているらしいが、それは後で知った。現物を見たときは意識していなかった。写真でも見分けがつかない!

薬師如来像の天井の様子。

これまたお見事である。

中華な白白

ねぇねぇ、仏と如来って何が違うの?

啓門童子

簡潔に説明すると、仏と如来は同じだよ!尊称の違い。一般的に阿弥陀如来、薬師如来と呼ばれることが多いから、ここではそのように称しただけなんだ。

南壁五尊弟子(釈迦牟尼十大弟子)

薬師如来像のお隣の南壁側には、北壁側と対を成して5体の釈迦牟尼十大弟子が立っている。
十大弟子頭上の天井装飾。

これぞ芸術!

そしてこの5体の像の名前は以下の通りである。

写真左から羅睺羅(らごら)、優婆離(ゆばり)、富楼那(ふるな)、須菩提(しゅぼだい)、阿難(あなん)。阿難が如来様に一番近い位置におり、この中では北側の摩訶迦葉(まかかしょう)と共に弟子の中では格が高い。敦煌でも洛陽龍門でも阿難は常に中心に近い位置にいる。

30分以上、この大雄宝殿の仏像に見惚れ、見学していたが、そろそろ時間なので下山する。本当に後ろ髪を引かれる思いだ。

入口の前には中の仏像の写真がある。

最後にもう一度おさらいで、左から順に薬師如来、阿弥陀如来、釈迦牟尼、毘盧遮那、弥勒仏。

山頂からは臨汾市隰県の市街地が見渡せる。臨汾市の中心地から130㎞ほど離れている、山西省の超田舎町である。

下山途中にあった「小西天」の説明看板。小西天は仮称で、正式名称は「千仏庵」という。本当に明末に建設され、出来上がった1644年に明王朝は滅んで、清王朝に時代は移り変わった。嬉しいことに日本語表記もある。

山は補強工事中で外観はイマイチ。次来ることがあるか分からないが、その時は綺麗な景観になっていると思う。

ここは国家AAAA級の観光名所。最高はAAAAAであるが、更にその上は世界遺産になる。
11:40頃、出入口を出た。
ここは「黒神話・悟空」というゲームの舞台となっている。このゲームのおかげで小西天は一躍有名になった。自分はゲームをやらないので、その辺の事情はよく分からない。

団体旅行客を対象とした休憩所兼お土産売り場。

その前にある人口の池。夜は噴水の演出とライトアップがされるようだ。

11:50、橋を渡った場所で集合となっている。

バスは12:00ちょうどに来るらしく、10分ほど時間があるので、周辺のお店を見学する。

地元の梨と山西省名物のお酢のコーラ。

今回の山西省旅行で、このお酢のコーラは本当によく見かけた。あとで買ってみようと思ったが、結局買いそびれた。

あちこちで梨が売られている。

中国で1斤は500gである。日本で買うより全然安い!またここの梨は日本の梨とは異なり、青りんごのような色をしている。

お酢のコーラよりも梨の方に惹かれていまう。搾りたて梨ジュースと食べやすく切った梨があったので買ってみた。

どちらも5元で合計10元、安い!

実際に飲んでみると、梨ジュースは甘くておいしい!梨もバスの中で食べたが、非常に美味しかった。お土産用にいくつか買えばよかった。

梨はバスの中で食べた。

この日のお昼ごはんは、この梨となった。非常に美味しく、お土産用に何個か買っとけばよかった。