旅の情報案内

アフターコロナの中国旅行事情(2023年)

2023年に入り中国のゼロコロナ政策が終わり、4月に観光ビザの発給が再開され、3年数か月ぶりに外国人の中国観光渡航が可能になりました。しかしながら2004年に始まった15日間のビザ免除措置は依然停止中で、中国に渡航するには目的に応じたビザ取得が必要な状況です。その取得手順も従来よりやや煩雑になっています。
コロナの3年間で中国の状況は大きく変わったように思われますが、旅行者視点で見ますと、特に以下の3点の変化が非常に大きく感じます。

  • Lビザ(30日観光用)の取得が必須。
  • ほぼ全ての観光地がネット事前予約制になった。
  • 中国全土でキャッシュレス化が一気に進み、浸透した。

中国旅行へのハードルがコロナ前よりも一層高くなっている実感がありますが、一度超えれば、その先には利便性を享受でき、楽しい世界が待っているとの見方もできます。心理面でのハードルを少しでも下げれるよう、これからの自身の体験を踏まえ、情報をシェアしていきます。

中国での宿泊について

昨今の中国の宿泊事情であすが、さまざまな諸事情で外国人が宿泊できるホテルが年々、徐々に制限されてきている傾向にあります。中国国内には安くて、且つ比較的奇麗で清潔な「漢庭」、「莫泰」といった格安のチェーンホテルが数多くありますが、これらは中国自国民向けの宿泊客(内賓)に特化してきており、外国人(外賓)は徐々に宿泊出来なくなってきています。そのため外国人宿泊者は、やや高めの(平均すると4つ星相当以上)のホテルに宿泊せざるを得ない状況となっています。

宿泊費の目安
  • 北京、上海、広州など沿海部の超大都市 → 500元~1,000元以上/泊
  • 地方大都市、中堅都市 → 350元~500元以上/泊
  • 価格は為替やオン・オフシーズンにより変動(2023年8月 1元≒20円)

楽天トラベルやBooking.comなど日本国内でよく使用されている宿泊サイトから予約は出来ますが、中国のホテルの予約であればTrip.comがお薦めです。理由は対応している中国の都市やホテルの種類が最も多いからです。先ずはユーザー登録を行い、ホテルを探してみましょう。

Trip.comでの宿泊予約

Trip.com ホテル・宿

Step.1

赤枠の部分に宿泊予定の都市、チェックインとチェックアウトの日付を入力します。

Step.2

上記画面左側に出て来る項目で、条件の絞り込みを行う。予約完了後、約10%のデポジットがクレジットカード経由で抑えられますが、前々日迄の変更キャンセルは無料で、キャンセルの場合、デポジットは返却されてきます。

キャッシュレス化対策(スマホ決済)

 コロナ前にもある程度キャッシュレス化は進んでいましたが、ゼロコロナ期間中に一気に加速し、中国社会全体で現金がほぼ全く使われない社会に変貌しました。キャッシュレス化、つまりスマホ決済で使用されるアプリはAlipay(支付宝)とWeChat(微信)に2極化していて、どちらも中国に居住して、中国の携帯番号を所持していないと作れない銀行口座と紐付いていて、短期滞在の外国人にとっては不便な状況でした。しかしながら最近(2023年7月時点)、どちらも外国製のクレジットカードで支払いを紐付けることができるようになり、外国人でもスマホ決済が出来るようになりました。そのため、どちらかのアプリでスマホ決済の登録及び支払い設定を行うことが不可欠です。
ここではAlipay(支付宝)について簡単に説明致します。

Alipay(支付宝)の登録方法と使い方

Step.1

スマホにAlipayアプリをダウンロードします。Googleで検索すれば、インストール画面が出てきます。

Step.2

アプリを登録すると、個人情報を登録する画面が出てきますので、必要事項を入力します。入力が完了すると、上記のようなMy Page画面が作成されます。その中の「银行卡」をクリックします。「银行卡」とはBank Cardのことです。たくさんの中国系銀行の選択肢が出てきますが、選択肢の中にクレジットカードの選択肢があります。

Step.3

「银行卡」の画面で、クレジットカードを結びつけます。カード番号をスキャンする画面が出てきますので、クレジットカードの番号をスキャンします。

Step.4

クレジットカードのリンクが完了しましたら、メイン画面の上記青枠か赤枠をクリックし、支払い時に使用します。青枠はQRコード読み取り画面で、赤枠はバーコード読み取り画面です。支払い方法に応じて使い分けます。

現金支払いについて

2023年8月に北京を訪問し、意外と現金もまだ使用できました。全く使用できないということはありません。但し北京を例に挙げますと、地元の人で現金支払いをしている人は見かけませんでした。ファストフードはほぼ全て、一部の飲食店でもスマホで注文、支払いを一貫して行うようになっているため、レジが無いケースが多いです。このような場合、店員を呼び出し、現金支払いを申し出る必要があります。自販機も普及してきましたが、全てQR決済で現金では購入出来なくなっています。また現金が使えても、小銭のおつりが無いなどのケースもありました。現金は使えないことはありませんが、現金決済だけに頼ると支払いの流れに乗れない感があります。 

中国国内の移動(飛行機)

こちらもTrip.comでの予約がお薦めです。日本と同じで幹線ルートと思われる区間(北京‐上海、北京‐広州、上海‐成都等)や早朝、深夜便は、距離の割に比較的安価で購入できます。また具体的に何日前割引とかの制度はないようですが、1か月前など早い時期に予約しますと、安い価格で購入できる傾向が見られます。価格は需給で決まる要素が強く、オフシーズンなど直前でも席が余っていれば、安い価格のまま購入できる時もあります。春秋航空、吉祥航空などLCCもあります。空路移動の特徴としては、飛行機の遅延、欠航の頻度が多いので、その点、注意が必要です。帰国日午前中に地方都市から空路で北京へ移動、午後北京から帰国、などの旅程は、非常にリスクが高いので極力避けた方がよいと思われます。

Trip.comで航空券を予約

Trip.com 航空券予約

Step.1

赤枠の箇所に搭乗地と行き先、日付を入力します。

Step.2

目的と金額に見合ったフライトを選択し、予約へ進みます。

中国国内の移動(鉄道)

Trip.comで鉄道チケットを予約

Trip.com 鉄道チケット予約

Step.1

赤枠の箇所に出発地、目的地、日付を入力します。

Step.2
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Trip.com列車2.jpg

予約可能な列車の座席が表示されますので、目的に合った条件の座席を選択します。

中国鉄道サイト「中国鉄路12306」で予約

中国の鉄道サイト「中国鉄路12306」からも鉄道チケットの予約ができます。但し中国語版、英語版のみで、日本語版はありません。最近、中国の携帯認証無しでクレジットカードでの支払いの手続きが出来るようにありました。こちらのサイトでは、自分が選択した出発地から目的地までを走る列車の種類、時刻等、非常に詳しい情報が確認できます。またチケットは出発日の2~3週間前の夕方から販売が開始されます。
こちらは少し上級者向けかもしれませんが、慣れると、こちらの方が情報が細かくて多く、綿密な旅行計画を立てるのには役立ちます。

中国鉄路12306

Step.1

先ずは画面右上にある「我的12306」をクリックし、本人登録を行います。本人登録の際、本人確認のため中国の携帯番号とメールアドレスの記入を求められますが、中国の携帯番号は未入力で大丈夫です。メールアドレスは、Gmailが使えませんでしたが、フリーメール以外のアドレスであれば確実に使えるともいます。

Step.2

「车票」のページから、列車の予約画面へ進みます。

中国旅行における必要最低限の持ち物

旅行直前、荷物を準備している時や、家を出るときに忘れ物がないか不安になるかと思います。自分はいつも以下の4点あれば、旅行中、最低限困らないと自分に言い聞かせて、出発前は4点を呪文のように呟き、忘れないようにしています。

必要最低限持ち物4点セット
  • お金(キャッシュレス対応済のスマホと多少の現金/人民元、クレジットカード)
  • パスポート
  • 航空券(E-Ticket控え)
  • スマホ

更に追加で、あるとよいと思われるものを挙げておきます。

あるとよい持ち物
  • VPN対応のWiFi または SIMカード →ただし楽天モバイルやdocomoのahamoでは無料GBが付いているので、無料GB分で間に合えば不要と思われます
  • コンタクト用品 →必要な方
  • マスク →気になる方、日本の方が安い
  • 折り畳み傘 →現地でも購入できますが、軽量級の傘に拘る方
  • 自動翻訳機 →必要な方、またはお気に入りのものがある方
  • 常備薬類 →必要な方

今の中国ではたいていの必需品は現地でも購入できるので、日本からあれこれ準備し、無理して持って行かなくてもよいと思います。尚、現地での滞在中は、パスポートとトイレットペーパーは常に持ち歩くことをお薦めします。

以上、ここでは必要最低限の持ち物だけをご紹介しましたが、上記以外の物で、ご自身が必要とする物、必要と思うものは各自のご判断で持って行きましょう。