敦煌
莫高窟について
敦煌観光のハイライトで最大目的の莫高窟観光をする。
ここ敦煌のある河西回廊地域は、前漢の武帝が河西四郡を設置してから漢民族の統治が始まり、敦煌は最西端の中継地として栄えた。西域からは汗血馬、仏教、葡萄などが運ばれ、中国からは絹織物が運ばれた。
莫高窟は現在の敦煌市街地から約25㎞ほど離れた場所にある。鳴沙山東側の断崖に南北1600mに渡って600近くの洞窟が彫られ、そこに仏塑像が安置されていて、壁には仏教画が描かれている。
中国で三国時代が終わり、五胡十六国時代に入った366年頃、楽僔という僧侶彫り始めたのが最初で、その後1000年近く渡り彫り続けられた。しかし中国で明が建国されると、海洋航路が発達したこともあり、明は嘉峪関以西の土地を放棄してしまう。それ以降、敦煌は急速に衰退していく。
清末期の1900年に王道士という住人が偶然に莫高窟第16窟の壁の中に隠されていた大量の経典を発見する。そして1907年にイギリス人探検家スタンレーが敦煌へやってきて、王道士は価値が分からぬまま、スタンレーに数千点の経典を売り渡してしまう。※写真は莫高窟陳列館に展示されていたもの
これにより敦煌の名は一躍世界に広まることになった。
井上靖の著書「敦煌」は、この辺の事情を小説化したものである。
それでは莫高窟へ行く朝からスタート。
敦煌シルクロード怡苑ホテル
敦煌賓館の裏手にある敦煌シルクロード怡苑ホテル(絲路怡苑大酒店)前に行く。徒歩2分。
敦煌シルクロード怡苑ホテル前が敦煌空港、敦煌駅、莫高窟デジタルセンターへ行くバス乗り場となっており、ここから循環バスに乗車する(3元)。緑のバスが何台か停車しているので、すぐに分かる。
出発まで時間があったので、売店で昨晩飲んだ杏皮水を買ってみた(4元)。
敦煌みたいな乾燥した土地には非常に合う飲み物だ。とてもおいしい。
10:00前、循環バス(3元)で莫高窟デジタル展示センター(莫高窟数字展示中心)へ向かう。
自分のチケットは11:30からの参観で、1時間前には莫高窟数字展示中心につくように言われていた。
途中の風景。
高速みたいだが、一般道である。
莫高窟デジタル展示センター(莫高窟数字展示中心)
莫高窟数字展示中心。
敦煌シルクロード怡苑ホテル(絲路怡苑大酒店)から20分程で到着。
ここにもチケット売り場がある。
昨日買った莫高窟チケットセンターでしか買えないと思っていたが、そうではなかった。
言われた通り1時間前の10:30頃着いた。
だけど11:30からのチケットの入場は11:10開始で、それまで入場できなかった。
昨日購入したチケット。
11:10に入場。
11:30から映像が2本を見る。
1本目は平面の映像で、敦煌の歴史など。
莫高窟建設の様子。
空中からの莫高窟。
2本目はドーム式の球体映像で、撮影禁止のため写真は無し。
40分ほどで映像を見終えると、今度は専用バスに乗り、莫高窟へ移動する。
出発。
外の景色。
敦煌市街地から莫高窟までは25kmほど離れている。
莫高窟への専用道路。
以前はタクシーで直接莫高窟へ行けたが、今は専用車しか出入りできなくなっている。一般の車は走っていない。
客と職員の移動のためだけの専用道路。
敦煌は今も非常に小さい街。
車で30分も走れば、このような地帯になる。
正に砂漠地帯。
窓ガラスが反射して見にくいが、莫高窟が見えてきた。
時間にして莫高窟中心展示中心から20分程。
到着。
車窓から。
莫高窟
莫高窟の案内図。
この橋は昔からある。
この河は党河という。昔から水が流れていない。
党河。
党河。
ここをずっと歩いて行く。
早く中に入って見学したい!
暫く歩いて入口へ着いた。
こちらの列は中国語ガイドを申し込んだ人の列。
結構並んでいるようにみえるが、進み具合は速い。
こちらは日本語ガイドを申し込んだ人たち。
列には並ばず、入口前のベンチで待つように言われた。しかし30分以上も待たされた。
中国語ガイドの列に並んだ方が、早く中へ入れたと思う。
莫高窟。
一番左の黒服がガイド。
11:30の班は総勢8名ほどで、全員日本人。はじめに第29窟、328窟を見学。
続いて16窟、17窟を見学する。
敦煌文献が見つかった場所だ。残念ながら。莫高窟の中は現在写真撮影禁止。
初めて来た1996年当時は、確かフラッシュをたかなければ撮影OKであった。
(だけど当時のアナログ写真では、フラッシュをたかないと暗くて何も映らない。)
※外壁の写真だけでは面白くないので、この後行く莫高窟陳列館のレプリカを交えてupします。
第275窟 交脚弥勒菩薩像(北涼)
第16、17窟の次に音連れたのが、こちら第275窟の交脚弥勒菩薩像(北涼)。
脚を交差して座っているのが特徴で、ギシリア、ペルシア式の座り方らしい。
左右の壁に宮殿風の龕がある。
そこにいる仏様も同じ姿勢で座っている。
莫高窟。
第249窟(西魏)
第249窟(西魏)
側面は人間界を表現している。
側面は人間界を表現している。
仏典の内容を基にイメージして、絵画で表現しているのだ。
西洋の宗教画と同じ思想だ。
しかしこっちの方が先駆者で、ルネサンス期には敦煌は廃れている。
莫高窟。
窟の番号は忘れてしまったが、莫高窟で実際にみた絵画。陳列館に展示してあった。
莫高窟。
莫高窟。
第257窟(北魏)
ここは有名な場所で、実際入って見学した。
ここには九色鹿王本生の壁画がある。
九色鹿。
莫高窟前。
補修後の壁が剥がれていた。
莫高窟前。
莫高窟。
ここは何かし訳ありのよう。
第96窟 九層閣
こちらは解放直後に撮られた九層閣。
屋根は無く、中の大仏が半むき出しになっている。※写真は莫高窟陳列館展示されていたもの
この中は第96窟となっていて、でっかい大仏が保管されている。
ここの大仏は楽山、洛陽に次ぎ、中国で3番目に大きいそうだ。
莫高窟の端っこ。
日本語ガイド終了後、中国語ガイド組一向が来たので、それに紛れて第138窟、第139窟を無料見学した。
おおよそ2時間で見学は終了した。すべての窟を好き勝手に見学できる訳ではなく、一般見学でみられる場所は決まっており、その時のガイドの配慮で7,8窟選定される。
こちらは昨日訪れた敦煌博物館レプリカの第45窟。ここは有料で別途200元かかる。今回申し込まなかったが、次回来ることがあれば、是非200元払ってでも見学したい。
第45窟はこの中のどこかに現物がある。
なんか名残惜しいが、莫高窟の見学を終える。
莫高窟を出たのは13:30頃。この後、莫高窟陳列館、その他は地質館、敦煌研究院史陳列館、お土産売り場など見て周った。
16:30頃、莫高窟から移動バスで莫高窟数字展示中心へ戻り、そこから循環バスで敦煌駅経由で市内へ戻る。
市内へ戻り、ホテルに到着したのは18:00前になってしまった。
市内の道路標識。
ホテルで少し休み、3路のバスで鳴沙山へ向った。