洛陽
龍門石窟

16:10頃、洛陽の龍門石窟へ到着した。少林寺からタクシーで高速を走り50分程だった。17:00までの入場は間に合うと思ったが、人数制限とかで入れない可能性があるのではと少し焦った。

龍門石窟は今回で3回目。初めて来たのは大学生の時で、その頃はここが正規の入場口で、ここで入場券も売られていた。今はもっと離れた場所が入場口となっており、ここまで歩いて20分ほど掛かった。

既にこの時16:30。入場は17:00までで、18:00閉門である。

洛陽の龍門石窟は2000年に世界遺産に登録されている。
西山石窟入口

ここから西山石窟が始まる。龍門石窟は伊河を挟んで右側の西山石窟、左側の東山石窟とに分かれている。
潜渓寺

はじめに入口のすぐ近くにある、賓陽三洞がある潜渓寺地区から見学する。

ここにある石造は、唐の時代の高宗の時に彫られたものである。
第20窟


第104窟/賓陽北洞

賓陽三洞の一つ、賓陽北洞の阿弥陀仏像。

この阿弥陀仏像、ピースサインをしているように見えることで中国のSNSでバズっていることを最近知った。今回で3回目であるが、前回、前々回来た時は全く気に留めなかった。

確かにピースサインをしているように見える!しかしこれは仏教の「印相」という手印の一種のポーズで、本来親指、人差し指、中指を上に突き伸ばしていたが、親指が欠落して、このような姿になった。

やはり皆さん、阿弥陀仏像を前にピースサインで写真を撮っている。

自分も負けじと何枚か自撮りした。

面白い!やっぱピースしているでしょ!


第140窟 賓陽中洞

続いて賓陽中洞。

入口の右側にいる像は前回来た時、見たのを覚えているし、初めて来たときも写真に撮っている。


第159窟 賓陽南洞

賓陽南洞。


伊闕仏龕碑(いけつぶつがんのひ)

伊闕仏龕(いけつぶつがん)の碑。筆者は初唐の政治家で書家でもある褚遂良(ちょすいりょう)。唐の太宗の四男である魏王泰が、生母の文徳皇后長孫氏の追善のため、石窟を補修したことを記している。自体は楷書で書かれている。

この日は岩壁に直接刻まれていたらしいが(写真ガラスの後ろ)、現在は風化が進んで字体は残っていない。拓本が残っており、それにより書かれた内容が解読できている。



摩崖三佛龕(まがいさんぶつがん)

全部で7体の仏像が彫られ、そのうち立っているものが3体、座っているものが4体ある。
第543窟 万佛洞(万仏洞)

唐高宗時代の670年頃の作品。高さ1mの主尊釈迦座像と子仏像が配置され、洞窟内部の左右壁一面には無数の仏像が彫りこまれている。このことから「万仏洞」と呼ばれている。

天井の壁画は蓮の花を表現している。

第1280窟/奉先寺洞

そして、いよいよ龍門石窟ハイライトの盧舎那大仏龕がある奉先寺洞へ向かう。

階段を上へと登って行く。

急こう配な階段。

結構しんどい!

着いた!

盧遮那仏とその取り巻きである十大弟子。

各御仏の名前は上記の通り。

迫力満点の天王と力士像。

この腰つき、正に圧巻!毎回見るたびに痺れてしまう!


この盧舎那大仏は高さ17.4m、頭部は4mある。


一体どこを凝視しているのか?偶然にも睨んだ先には唐の詩人白居易の墓がある!


真下から見上げてみた。





文殊菩薩と阿難像。

阿弥陀如来像。風化の中で、消えかけている。

迦葉像。今、正に消えむと欲す。

お隣の普賢菩薩の念力で、30年後にも耐えていて欲しい。

凛々しい顔つきの盧遮那仏像。

しかしお膝元は風化で消えかかっている。










向こう側に見える、伊河にかかる橋を渡り、東山石窟方面に向かう。
西山石窟出口

17:35頃、西山石窟側を出て、東山石窟方面へ向かう。龍門石窟は一方通行の見学ルートとなっており、一度出ると引き返すことは出来ない。

橋の上から西山石窟方面を眺めてみた。既に日は暮れており、ライトアップがはじまっている。
東山石窟

東山石窟側から、伊河を挟んで盧遮那仏のある西山石窟方面を眺めてみた。

夏場は21:00まで開園しているが、冬場は18:00で閉園してしまう。そのため夜景拝観は出来ないと諦めていた。

しかし3日前から河南省にいて、この辺、17:00頃に日が沈んで徐々に暗くなり、18:00には完全に暗くなることが分かった。

17:30には結構うす暗くなるので、少しの時間でもライトアップされるのでは?と思い、やって来たが、正解であった!

この景色を見ることを待ち望んでいた。

ライトアップの光が伊河に反射し、映えている。

つい30分ほど前まで、あそこにいたが、まだ普通に日の光で明るく、ライトアップはされていなかった。

日が沈んで、急速に周辺が暗くなってきた。


17:50頃の様子。なんとも幻想的な光景である。


既に閉門時間の18:00を過ぎていた。

しかしまだ多くの観光客がこの景色を眺めている。

一応、閉門時間のアナウンスが流れ、音楽が流れ始めたが、皆そんなの無視して写真を撮ったり、景色を眺めている。

ライトアップを止め、真っ暗にしないと誰も帰らないと思う。


粘ればもう少し居られたが、出口まで行くカートが無くなったりすると面倒なので、18:20頃、後ろ髪を引かれる思いでこの景色を後にした。

龍門石窟の近くに「洛陽龍門」という高鉄の駅があるが、実は龍門石窟に隣接しているわけではなく、車で5~10分ほど掛かる。地下鉄の最寄駅でいうと2号線終点の「八里堂」駅であるが、数㎞離れており、徒歩だと30分ほど掛かる。そのため待機していた輪タクで「八里堂」駅まで行くことにした(10元)。
地下鉄2号線八里堂駅

輪タクに乗り10分程で地下鉄2号線「八里堂」駅へ到着した。ここから地下鉄でホテルのある「麗景門」まで行く。
