新疆ウイグル自治区

チャプチャル・シべ自治県/新疆で満州語が使われている街<後編> 北疆の街を訪ねて・伊犁カザフ自治州

伊寧

全季酒店(伊寧上海城店)

北京時間の朝8:00頃に起床。

新疆時間でいうと、2時間戻るので朝6時過ぎになる。外の雰囲気も朝8時の活気はなく、朝6時の雰囲気だ。

「馬三元牛肉麺」

ホテルは朝食付きではないので、ホテルと同じ建物にある「馬三元牛肉麺」へ朝食を食べに行く。

スープ麺ではない乾麺を注文。

このお店の麺、何度食べても美味しい(拍手)!

工会大厦(世界購物センター前)

ホテル最寄のバス停「上海城」から「工会大厦」までバスで移動(1元)。バス停目の前に「世界購物中心」の建物がある。

向かって左側に「物源家電商場」の看板があるので、そこを潜って突き進む。

突き当りまで進む。

突き当りまで進むと、そこに相乗りタクシー乗り場の入口がある。ここからチャプチャル・シボ自治県(察布査尓錫伯自治県)まで相乗りで10元/人。ここの駐車場へ入るには身分証明書(パスポート)の提示が必要。

前日に伊寧市郊外にある「恵遠」へ行ったのだが、「恵遠」行きの直行便もあった!はじめから知っていたらここから乗っていたのに!!

このホンダらしい車がチャプチャル行きらしい。10分しないうちに4人集まり、すぐに出発した。

運よく助手席を確保できた。10:30に出発した。

チャプチャル行き相乗りタクシーがある駐車場出口付近の様子。

出口の目の前には隆金大酒店がある。

光明街

市街地を出ると、暫く綺麗なポプラ並木の車道を走った。

途中、橋の手前で事故に遭遇した。

伊犁大橋

遠く前方には雪景色の山脈が見える。あそこは中国ではなく、カザフスタンの領域だ。また、今回のチャプチャル行きは、前回と違うルートを走っている。

「伊犁大橋」経由だ。この橋を渡ると「チャプチャル・シベ自治県」へと入る。

伊犁河

「伊犁河」の上を渡っている。

橋の手摺が邪魔なので、窓から身を乗り出した。

走行しながら撮ったので、斜めになってしまった。

チャプチャル・シベ自治県

チャプチャル・シベ自治県検問所

伊犁大橋を渡ると、すぐに検問所があった。自分だけパスポートで、いろいろと聞かれ、時間がかかる。置いて行かれないか少し焦ったが、運転手は待っていてくれた。

無事解放され、再びチャプチャル・シベ自治県へ入境!

殷登南路東三巷

前回も来た、中心地らしい「殷登南路東三巷」で下車した。

着いて早々であるが、豆乳とか乳製品・果物を売っている売店があり、豆乳を買おうとして覗いてみた。豆乳を買う前に、店のお姉さんに「自分は錫伯族に興味があり、日本から来ました。失礼ですが、何族ですか?」と質問すると、「錫伯族です」と返事が返ってきた。感じがよさそうな方だったので、ついてにいくつか質問してみた。

〔回答〕錫伯族同士であれば、錫伯語で話している。お店では通常、中国語(普通語)で会話をしている。お客が錫伯語で話しかけてきたら、錫伯語で返している。

〔回答〕読もうすれば読めるが、日常では使わない文字なので、読むのに疲れる。ただあれはピンインと同じ発音記号表記なので、特別難しくはないはず。

〔回答〕そんなことはない。学校では基本、中国語(普通語)で授業を行っているが、今は錫伯語にも重点を置いている。自分の世代は、錫伯語は副科目で、学校での読み書きは余り習わなかった。今の子供達の方が、錫伯語を上手く使いこなせていると思う。

〔回答〕会ったことがないので、よく分からない。でも元は同じ言語なので、多分、通じると思う。

〔回答〕行ったことがないので、よく分からない。でも、ここでは最近、かなり民族教育に力を入れていて、錫伯語は主要科目になっている。錫伯語は廃れることはないと思う。

〔回答〕知っている。彼女はここから少し離れた三郷(金泉会社)というところの出身。彼女は我々錫伯族の誇り。

店員のお姉さんとお喋りしていると、客が来た。錫伯族の母娘。リアルにツングース系女真族の末裔だ。相手が錫伯族なので、錫伯語でのやり取りが始まった。売店のお姉さんの取り計らいで写真を撮らせてもらった。ありがとございました。

売店のお姉さんも、長々と話しかけ、お仕事の邪魔をしてすみませんでした。また、ありがとうございました。

殷登南路を5分ほど南下して、烏蘭街へ着いた。

亜力買買提特色木柴焼肉店

1日目に来たウイグルレストラン。前回の味が忘れられず、また昼食を食べに来た。烏蘭街通りにある。さっきの売店での話しに夢中になり、北京時間で13:00を過ぎていた。

とってもお洒落なウイグル調のお屋敷。

前回来た時と同じ場所に座る。

ラグメン(砕肉麺)を注文。Kawasも注文しようとしたが、在庫がないとのことで、ヨーグルトを注文。

やっぱ美味しい!やはり今回の旅行で、ここのラグメンが一番美味しかった!!

羊肉串2本もあとから来た。これでもう満足!これだけでも、チャプチャルへ来た甲斐あり。

殷登路杜林拝街

このお店の通りに小さな書店があったので、立ち寄ってみた。

無いのを分かっていながら、「新聞はありませんか?」と聞き、没有!と返される。ついでに何族ですか?と聞くと「錫伯族」と返答された。そこでここでも錫伯語と錫伯族について、また満州語の違いなどについていろいろ尋ねてみたら「ここに座って!」と言い、お茶とお菓子を出してくれて、30分程お話をしてくれた。お茶はウイグルの紅茶ではなく、ジャスミン茶であった。

最後に記念写真をお願いすると、快く承諾してくれた。錫伯族のお姉さん、ありがとう。

新華書店

その後、近くの新華書店に立ち寄った。1日目もここへ来て、来て立ち読みしたのだが、「錫伯文化」という雑誌が気になっていた。

この時点で第49巻まで発刊されてあり、錫伯族の歴史について詳しく纏められてある。1冊25元で高いので、1日目は買わなかったが、わざわざ今回また来たので、1冊購入した。この時、レジのおばさん店員にも「何族ですか」と尋ねると、「錫伯族!」と返される。

本の中身を見せ、「この文字を読めるか?」と聞いたところ、「読もうと思えば読めるが、面倒くさい」と、興味なさそうに返される。初日にも別の店員に聞き、無いとは分かっていたが、「錫伯族の新聞は売ってないか?」と聞いたところ、「ここにはないけど『報社』にあるのではないか?」と言う。「『「報社』はどこにあるか?」聞くと、「客運駅の対面」と教えてくれた。

意外に事態が急展開してきた!そういえば初日にタクシー20分チャーターした時、客運駅の前を通ったのを覚えている。そんなに遠くは無い。貴重な情報を得たたので、タクシーを捕まえ『報社』へ行く。『報社』は新聞社のこと。

チャプチャル新聞社(察布査尓報社)

タクシーに乗り、5分ほどでチャプチャル新聞社へ着いた(5元)。中へ入ろうとしたら、身分書提示を求められ、警備員に目的を聞かれる。現在北京時間14:30で、新疆時間では12:30である。新聞社の人たちはちょうどお昼休み中で、外に出ていた。15:00にまた来なさいと言われる。自分は北京時間に合わせてさっさと済ませてしまっていたが、新彊時間では今が正に昼食タイムなのだ。

新聞社(察布査尓報社)とバスターミナル(客運駅)がある「査魯蓋路東街」。

近くでアイスを買った。食べて待つことに。

このアイス、一昨日、伊寧市内の喀賛其民族旅行区で食べた自称「自家製」アイスと同じ味だ!

チャプチャル新聞社(察布査尓報社)

すぐにアイスを食べ終え、待ち切れなくなり、15:00の10分前に新聞社へ戻ると、ビルの警備員が、ちょうど同じタイミングで入ってきた2名の女性を指し、「この人たちが新聞社の人だ!」と教えてくれた。その人達に「自分は錫伯語の新聞を探しに来たのだが、有りますか?」と聞くと、「有!有!」と言われ、3階の事務所に通された。

部屋に入ると「おぉ~!」と圧倒された!あるではないか、錫伯語の新聞!世界でここでしか発行されていない、唯一の満州文字の新聞である!!

この新聞は火・金の週2回発刊されている。売店や書店などで販売されているのではなく、全て個人向けの定期購読販売で、全国各地に月単位で郵送配送している。前の写真の左上の方に封筒の束があり、チラ見したら、確かに北京、瀋陽、烏魯木斉といった個人宅の宛先住所が見えた。

この新聞を定期購読しているのは、中国全土に住む満州族、錫伯族がほとんどらしい。海外への発送は今までした事がないが、送料負担してくれれば、日本へも郵送してくれるという。

定期販売なので、バラ売りはしていないという。ダメもとで「1部下さい!」とお願いしてみたら、「可以、可以」と簡単にOKしてくれた。なのでついでに2部頂戴した。

察布査尓報社の従業員。左側の赤いズボンの女性は漢族。彼女は錫伯語を話せないが、事務全般の仕事をしていると言う。右側のジーパンの女性は錫伯族。錫伯語の記事の編集は殆ど彼女がこなしているという。記念に写真を撮らせてほしいというと、快く承諾してくれた。事務所内は散らかっているので、廊下のお花のある場所を指定された。錫伯族の彼女が言うには、ここチャプチャルには錫伯語を教える学校があるという。文字はピンインと同じ表音文字で発音記号と同じようなもの、覚えるのは簡単、1年あればマスター出来るとのこと。会話については、どれだけ多く喋って慣れるかによるので、何とも言えない。ただ錫伯語を勉強しても、喋る訓練をしないと、何年経っても喋れないし、積極的に喋れば、早くマスターできるはず、と言っていた。もっともなご意見である。また質問をぶつけてみた。

〔回答〕「八」の字を書くような仕草をし、あっちの方が跳ねる部分が少し多い。通じるかについては、直接会って喋ったことが無いので分からないが、通じるはず。

最後に「定期購読する気があったら連絡してね!」と連絡先を教えてもらった(でも定期購読をすることは無いだろう)。お姉さん方、いろいろ有難うざいました。またお昼休みを少し潰してしまい、申し訳ございませんでした!

チャプチャル(察布査尓)バスターミナル

今回のチャプチャルの訪問、正直、来る前は何の期待もしていなかった。しかし思わずも錫伯族の方の写真も撮れ、世界で唯一の満州文字の新聞も入手出来たので大満足。早々に引き上げることにした。

新聞社対面のバスターミナルから伊寧市内へ戻ることにする。

察布査尓錫伯自治区の地図。左側はカザフスタンと国境。

ここからも伊寧行きのバスが出ているのだが、ちょうど出て行ったばかりのようで、、次は2時間後であった。そんなに待てないので、公共バスで国遊飯店前へ向かう(1元)。

国遊飯店前

来たバスに適当に乗ったが、国遊飯店方面へ行くかは分からなかった。でも予想通り、国遊飯店前に来たので下車する。

道路の向こう側へ行く。

ここが伊寝へ向かう乗り合いタクシーの乗り場となっている。

この車に乗車する。

すぐに4人集まり、伊寧へ向け出発!伊寧⇔チャプチャル間は乗客がすぐに集まる。

これで本当にチャプチャルとはお別れだ!