新疆ウイグル自治区

タシュクルガン/タジク族の住む街 新疆ウイグル自治区・南疆鉄道の旅⑫

タシュクルガン(塔什庫爾干)

凱途国際温泉酒店

ホテルのロビーに飾られていた肖像画。

タジク族である。

こちらもタジク族。

なんか高い芸術性を感じる。

朝、洗濯をし、北京時間9:30過ぎに外へ出る。近くの商店に行ったが、買いたいものがない。

米も売っている。ここは米文化圏か分からないが、ウイグル・ポロ(抓飯)の写真がある。

ホテルから100Mくらい先に、ユースがあった。

凱途とはK2のことで、世界で2番目に標高の高い山である。自分の宿泊しているホテルもK2といい、同系列っぽい。

ユースの後ろは紅其拉布路。

バスに書かれてある文字に注目。「タシュクルガン・タジク自治県歌舞団」とある。

そんなのあるんだ。どこかでショーなどやっていたら、是非見に行きたい。

昨日も来た偽マック!まだ開いていなかった。

理髪屋。
モデルは現地人?でも現地の若者(タジク族)は本当にこんな感じだ。

交通賓館/タシュクルガンバスターミナル

交通賓館。
タシュクルガンを経由し、パキスタンのフンザへ行く日本人旅行者はだいたいここへ泊るらしい。隣にあるバスターミナルに、再度、明日のカシュガル行きチケットの状況確認をする。

昨日は閉まっていたが、この時は窓口が開いていた。カシュガル行きバスのチケットは当日分、8:30からでないと売らないという。早いもん勝ちだ。
「朝、何時くらいから並べば確実に購入できるのか?」と聞くと、自分達は8:30ちょうどに出勤してくるので、知らない、と無愛想に言われた。

行きで十分景色を満喫できたし、バス以外の交通手段は当てにならないので、明日、確実にカシュガルへ戻るため、必ずバスで帰ろうと心に決めた。

ウイグル・ポロ

再び塔什庫爾干路を紅其拉布路方向に戻る。道路沿いの何件かの店で、このような釜で何かを作っていた。

ウイグル・ポロ(抓飯)だ!

ウイグル風ピラフといった感じのもの。
昔、手でつかんで食べていたらしく、漢字では「抓飯」と書く。

出来立てでおいしそうだったので、チャレンジしてみる。

この店に決めたのは、3件くらいある中で一番早く出来上がったから。他の店ではあと20、30分待って、と言われた。そんなに待ってられない。

料金を聞くと20元。おそらく量が多そうなので、10元分売って欲しいと頼むと、承諾してくれた。

ウイグル・ポロ(10元)。
味は油ぎった硬いもち米を食べているみたいで、正直美味しくない。
客は自分ひとりで、交渉したウイグル族のおばちゃんがずっと見ている。途中、お茶まで出してくれた。

1/3くらいで食べて、あとはもう残したかったが、ここは大人のお付き合いで、仕方なく完食した。

こんなの全部食べて、胃でちゃんと消化できるのか心配になった。

朝食後、タシュクルガン博物館まで歩いていく。昨日行った紅其拉布路×慕士塔格路の鳥の塔があるところだ。方向が分かっていたので、裏路地を通って向かう。

タジク博物館(塔吉克博物館)

タシュクルガン博物館に到着。

しかし開いていなかった。
中で掃除しているおばちゃんがいたので、聞いてみると、今日は北京時間夕方の17時~20時(新疆時間15時~18時)に開館するとのこと。

タジク族(塔吉克族)

博物館前を子供の手を引いて歩いていた女性。
外見がどう見てもヨーロッパ人みたいなので、思わず声を掛けてしまった。
今思えば、かなり怪しい行動である。「自分は日本から来た旅行者で、ここの少数民族にとても興味があります。あなたは何族ですか?」と聞くと、気軽に質問に答えてくれて、写真まで撮らせてくれた。

彼女はタジク族。
「何故他のタジク族みたいに民族衣装を着ていないのか?」と聞くと、
「私は民族衣装を着るのは余り好きではない。普通の服を着ている方が便利で好き。」と答えてくれた。タジク族だからと言って、民族衣装を着なければならない決まりは無いという。
しかしながら、タシュクルガンのタジク族、特に女性はみな、日常で民族衣装を着ているようだったで、彼女は異質なのかもしれない。
ここで普段着を着ている女性は、基本漢族だけで、彼女のようなセンスのある着こなしは、当然出来ていない。漢族女性は地方都市でよく見かけるような、湿気たジャケットを一様に着ている。
街中を歩いていて、この方はかなり目立っていた。お子さんと一緒の写真も撮りたかったが、子供は嫌がって入ってくれなかった。突然のお声がけに気さくに応じてくれて、ありがとうございました。

紅其拉布通りをパキスタン方面に向かって歩く。

タシュクルガン・タジク自治権人民法院

「タシュクルガン・タジク自治権人民法院」。

つまり裁判所。

皇冠酒店(Crown Inn)

はじめに宿泊を考えていたホテル。こんな場所にあったのか!

皇冠酒店(Crown Inn)。

あの有名店とは絶対に関係ないはず。

1泊400元前後とタシュクルガンでおそらく一番高いホテル。
そこそこのホテルで設備的にも十分らしいが、口コミサイトの評判が余り良くなかったので、泊まるのをやめた。マイナス評価の主な理由は、値段。
この地で400元は高すぎる。

ホテル内レストランからの風景。ここのレストランは結構高かった。
例えば麻婆豆腐68元。しかも1時間前に注文してくれ、と貼り紙があった。

場所も不便で、自分の中では、次ぎ来た時の宿泊候補には入らないな。

これ以上、先に進んでもなにもなさそうので、ここから怕米爾路をR314方面に向かう。※怕はりっしんべんではなく、巾へん。

「北緯37」と壁に書かれてある。←が気になり、ちょっと行ってみる。

ここにもユースがあった!

「オーナーは留守、来客者は自分で中に入って、宿泊して」とある。

宿泊しないが中を覗いてみる。

クシュルガンでは、結構牛肉の火鍋屋をみかける。でもこの牛というのは、「ヤク」のことである。日本の牛肉のイメージをしてはいけない。

カラコルム・ハイウェイ(中巴公路)

R314に出た。カラコルム・ハイウェイ(中巴公路)だ。

党関連の施設。

宿泊施設があった。

ボロいが営業していた。中を見たが、ボロすぎて泊まる気にはなれない。

慕士塔格路

慕士塔格通りをまた市内方向に進む。

博物館近くの鳥の塔のロータリーへまた来た。

紅其拉布路(購物一条街)

紅其拉布路(購物一条街)。
この綿コート、以前は至る所で着ている人を見かけ、どこにでも売っていたが、最近は滅多に見かけなくなった。
もはや生産、販売中止になっているとも思われたが、この通りの多くの商店で売られていた。1着80元。

タジク族の女性はみなこのような煌びやかな衣装を着ている。こういうところで生地が売られているのだ。服はみな自家製なんだろう。

歩いて回れる範囲は大体歩いて回ったので、この後、タクシーを捕まえて、
市内見学をする。

キルギス族(柯爾克孜族)

タクシーをチャーターしたのだが、途中で客が乗り込んできた。

「何族?」と聞くと、「キルギス族」と答えてくれた。
お母さんの方は普通話はあまり喋れなく、娘さんが流暢な普通語を話せ、少し雑談をした。「写真と撮ってもいいか?」と聞くと、OK。

撮った写真を見せたら喜んでいた。

5分くらいで下車した。

紅其拉布口岸

悪名高い紅其拉布口岸。


パキスタンへ行く人はここで出国手続きをするらしい。


パキスタン行きのバス(推定)も停車している。

これより先は行けそうもないので、市街地方向に戻る。

金草灘沿いの古城路へ。

しばらくずっと金草灘沿いを走っていたが、きりが無いので引き返す。

石頭城

昨日見学した石頭城が見えた辺りで下車した。40分くら乗車し、80元。

タクシーの運転手はタジク族の若者であったが、普通語は片言しか喋れていない。少し代金が高いような気もしたが、80元の根拠を、普通語で一生懸命説明しようと努力してくれて、また自分も相場も分からないので、おとなしく支払った。

名刺をくれて、必要があればまた呼んでくれ、と言われた。

石頭城。昨日、急に高山病の症状がでたため、ゆっくり見学できていなかったが、ざっくり垣間見たので、再訪はパス。あの位置まで登ると、また頭痛がしてきそうな気もしてしまう。

ここからアラール金草灘へ向かう。

こちらはウイグル族のおばちゃん。

アラール金草灘(阿拉爾金草灘)

何度来ても飽きない景色。

あれがおそらくK2.

この場所の標高も3000mを超えている。

30分ほど散策して、外へ出た。

石頭城遺跡の麓に、この地の歴史の流れを表現した石碑があった。

タジク族の概述。

30分ほど散歩して、塔什庫爾干路へ出た。

ここの通りには、このようなタジク族の銅像が一定間隔を置いてある。

氷山賓館

交通賓館斜め対面にある氷山賓館。
普通のホテルであるが、タシュクルガンでは数少ない外国人宿泊可のホテルである。参考のため値段を聞くと、バス、トイレ付き標準房120元。漢族の女性服務員から、「日本人もOK、今日は100元でいいよ」と言われた。

近隣には同じ系列の中華料理店(四川)、商店があった。

昨日、タクシーで同乗していた2人の漢族が下りた場所。自分が宿泊しているホテルの前にある。ホテルかと思ったが、違った。

温泉施設であるが、客が誰もいない。服務員に聞くと、夜になると客が多く来るらしい。

ここにも素晴らしい絵画が飾られていたので、写真を撮らせてもらう。

タジク族の可愛い少女も、年を取るとこうなるのか、と思ってしまった。

一旦ホテルに戻り、休憩。

酸素を吸って、30分ほど仮眠をする。

紅其拉布路/購物一条街

休憩してから、再び紅其拉布路へ。

店番のウイグル族の少女。
写真を撮っていいか?と聞くと、OKとうつむいたが、ムスッとしている。

そこで「笑一笑!」と言うと、笑ってくれた。

3人組のウイグル族の女の子。

写真を撮っていいかとカメラを見せると、やや驚いた様子で、「可以、可以(OK、OK)」と答えてくれた。

黄色い子が今回の主役。


写真を撮ると、頼んでもないのに、ポーズを取り始め、ポーズを決めるたびに、「撮って!」と目で合図をしてくる。

みんな短髪なので、一応、男の子か女の子か聞くと、「私たちみんな女の子よ!」と流暢な普通語で答えてくれた(大変失礼しました!)。
「あなたたち何族?」と聞くと、「維族(ウイグル族)!」
「あなたは何族?」と逆に聞かれたので、少し考え「大和族」と答えたが??              「日本人」と言い直しても????な反応だった。

別れ際、「叔叔、再見!」と漢語教科書の決まり文句みたいな挨拶をされた。

アラール金草灘

再びアラール金草灘(阿拉爾金草灘)へやって来た。
16:00前で、博物館はまだだし、もう行く場所、時間を潰す場所がないので、また来てしまった。

遊歩道も歩き尽くしてしまった。

遠くにタジク族らしい遊牧民がいる。数人だが、観光客らしい私服の人も見える。

遊歩道の先端に来て、ふと思った。別にこの先、入ってはいけない訳ではない。よし、行けるところまで行ってみよう!

ちょっと水を触ってみた。

趙ちべたい。

入ってはいけないエリアではないが、遊歩道を外れた草原は、ぬかるみや、行く手を遮る小川があり、迂回路を見つけては粘ってみたが、山の向こうまで濡れずに行くのは無理だった。
17:00を過ぎ、博物館が開館する時間になったので、諦めて戻ることにした。

慕士塔格路

慕士塔格路経由で博物館へ向かう。

タシュクルガンのお役所である。

タジク博物館

17:30過ぎに博物館へ到着。ちょっと心配したが、今度は開いていた。

※写真は午前中来た時、撮影したもの。

身分証明書(パスポート可)提示で入場無料。

タジク族の民族衣装の展示。

タジク族の挨拶。
実際、街中で女性同士でこのような挨拶をしているのをリアルに何回か見た!!

今日一日、どっぷりと市内探索をしていたが、右2つの写真のように、男同士でこのような挨拶をしているのは1回も見なかった。男同士の場合、たいていは普通に握手をしていた。

タジク族の寝室。
昨日ダム湖でキルギス族の同じような部屋を見たけど、実生活の環境は、こんな清潔な環境ではない。

張騫。前漢武帝の時代に対匈奴対抗策で大月氏と同盟を結ぶため、西域に派遣される。漢の領域を出た直後、匈奴に捕まり十年以上監禁され、その後、逃亡する。大月氏に辿り着くが、同盟締結には至らなかった。
しかしながら彼のもたらした西域情報は大いに役立ち、その後シルクロードが繁栄するきっかけにもなった。

スタインの説明まである。1907年、西側視点で見れば敦煌を「発見」した人物である。
しかし同時に多くの貴重な文献もかっさらって持ち逃げした、世紀の大ドロボーである。

展示を大体見終えた頃、この館内の係員の女性から「もうおしまいだから出口はあちら」と、さっさと帰るよう促された。入った時、見学者は他にも数人いたが、最後は自分1人となっていた。用事があるので閉館にしたいと言う。
まだ閉館時間まで時間があるのに私用を優先させていい加減だな、と思ったが、この程度の展示内容なのでもういいやと思い、帰ることにした。


帰り際、「仰せの通りに帰るので写真を撮らせて欲しい」と言ったら、快諾してくれた。

愛楽肯(A・L・K)

夕食はホテル隣にある「愛楽肯」というウイグル料理屋で食べることにした。
店に入ったのが北京時間19:45で、客は自分他、1組しかいない。新疆時間だとまだ夕食時ではない。席へ着く前に菜単(メニュー)を見せてもらう。ここも欧日大と同じで、珈琲の種類はたくさんあるが、アルコール類は一切なし。キルギス族の店員に、何でアルコールが無いのか?と聞いてみたところ、「ここでは禁止されている。もしお酒を飲みたいのであれば、向かいの回族レストランに行けば、食事しながらお酒が飲める。」と言われた。※上の写真は翌朝撮影。

店内(2F)の様子。
店内の雰囲気はとても良い。タシュクルガンの中ではそこそこ高級なお店だと思う。

この紅茶がとても美味しくが感じた。何のお茶か聞いたら、お茶の入れ物を見せてくれた。帰りに近くの店で購入した。

干篇炒麺と羊肉串、ヨーグルトを注文。
拉麺(ラグメン)を食べ比べしようとしたが、店員が干篇炒麺がお薦めというので、試しに注文してみた。

15分ぐらいして頼んだ羊肉串2本が出てきた。

その後、更に20分後にヨーグルトが出てきた。これは食後に食べるため、手付けず。

メインの干篇炒麺が一向に出てこない。キルギス族の服務員に「忘れているか!」とちょっとキツメに言うと、
「麺を打つコックがいなくなって、探していているのでもう少し待って欲しい」と苦しい言い訳をしていた。

結局注文してから50分後にやっと出てきた。
お薦めというので期待していたが、単なる「ピリ辛焼きうどんにしか見えない。しかし食べてみると、見た目とは違い、すごく美味しい!

最後にヨーグルトを食べる。

料理が出てくるのが遅かったが、別に急いでいるわけでもなく、紅茶が美味しく、窓からの景色もよく、ゆっくり出来たのでよしとしたい。紅茶は1ポット全て飲んでしまい、新しいのと取り替えてくれた。

食後も暫く休んでいると、中国人(漢族)団体客がやってきた。静粛な雰囲気を見事にぶち壊してくれて、店員にかなり偉そうな態度であれこれ注文している。うるさくなったので、店を出た。

ウイグル語表記のレシートを貰った。内容は読めないが、合計が33元である。3元の小銭が無く、40元渡したら、店側もおつりの小銭が無いないとのことで、30元にしてくれた。

店を出たが明るいので、少し周辺を散策する。

ウイグル族の少年達。

ナンが売っていたので、試しに1枚買ってみた(2元)。

ナンを売っていた、ド派手な衣装を着たのウイグル族の店員に写真を撮らせてと聞くと、私ではなく子供を撮って、と言われた。なので撮らせていただいた。

ちなみにここタシュクルガン、カシュガルも、ウイグル族の女性は煌びやかな民族衣装を着ている比率が多い。ウルムチ市内ではそのような光景はあまり見かけず、普通に洋服を着ている。

別に特別食べたいとは思わなかったが、どんなもんか味わってみたかった。明日の朝食兼昼食用にしよう。

凱途国際温泉酒店

ホテルの屋上から。

洗濯物を勝手に屋上に干していたので取りに来た。パリパリに乾いていた。

部屋の様子。初日撮り忘れたので撮影。
ドアノブに「Don’t Disturb」の標札を掛けっぱなしにしていたので、掃除されていなかった。

洗面台の様子。

バスタブ。
20:00~24:00の間、温泉が出る。そもそもホテルの名前は「凱途国際温泉酒店」であり温泉もこのホテルの売りの一つである。。

今回の旅行で購入した唯一のお土産。2gティーパック×25包で14元。

地元の紅茶と思っていたら、スリランカ産であった。

明日用に購入したナンと飲むヨーグルト。

電波時計は北京時間を表示していたが、iPhoneは新疆時間を自動で表示していた。